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低周波全般資料(7)

「低周波導子」の電極には「関電極」「不関電極」があります。

「関電極」とは、治療すべき部位にあてる電極で「治療電極」ともいいます。
「不関電極」とは、人体に通電するために必要な電極のうち、「関電極に対する他の電極」のことをいいます。
「関電極」をプラスにした場合、「興奮作用(マヒ等への治療)に関電極」を、「関電極」をマイナスにした場合、「鎮静作用(鎮痛・消炎等への治療)に関電極」をあて、「不関電極」を他の治療箇所に貼付します。

電極のスポンジはよく水に浸した後、軽くしぼり水がたれない程度にします。また皮膚とよく密着させることが大切です(密着が部分的ですと、そこに集中して通電されます)。
※電極の面積が大きい導子と小さい導子では、電流が同じであれば小さい導子の方が低周波刺激は大きくなります。

さまざまな低周波導子の中から、代表数点をご紹介させて頂きます。

●従来からの「扁平導子」です(スポンジを装着して使用)。
低周波導子(従来式)一覧

●先端部(電極部)のみ着脱できる「扁平導子」です(スポンジを装着して使用)。
低周波導子(着脱式)

●「ジェル」をぬって装着する「丸導子」です(スポンジ不要)。
丸導子

●粘着付きでそのまま貼れる「ゲル導子」です(スポンジ不要)。
ゲル導子

それ以外にも「プローブ型導子」といって、手に持ち「ジェルをぬった皮膚の上を接触しながら移動させるタイプ」もあります。

「低周波導子」は「消耗品」であり、経年劣化により「性能が低下したり破損する」場合がありますので、頻繁に交換することが望ましいといえます。

「低周波導子」はあくまで「機器とセット」であり、メーカーの指定するもの以外を用いないようお願いいたします。

「導子の選定」も治療上大事なポイントとなりますね。

次回は「低周波治療におけるEBM」についてご説明させて頂きます。


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低周波全般資料(6)

低周波治療器の波形にどんな波形があるのかを「低周波全般資料(4)」で述べましたが、コモン(ゼロ点)より上に出る波形を「プラス波形」、下に出る波形を「マイナス波形」といいます。

波形が交流波形のように、上下とも同じだけ出るのでれば「極性」はありません。
「極性」のない低周波通電では「筋肉の収縮作用効果」となり、かつ持続性が弱いという欠点もあります。

「電極」のある低周波通電では「電極通流作用」といって、ある程度の電流をある程度の時間生体に通電しますと、通電する「陰極(マイナス導子)」直下と、「陽極(プラス導子)」直下に変化が表れます。この変化を「電極固有の生理効果」といい、低周波治療効果を裏付ける重要な作用となります。

【通電初期の通流効果】
「陰極(マイナス導子)」直下では、閾値(いきち:細胞を興奮させる値)が下降し「興奮性が増大」します。
逆に「陽極(プラス導子)」直下では、閾値(いきち:細胞を興奮させる値)が上昇し「興奮性が減少」します。

通電初期の生理効果

【一定時間経過後の通流効果】
ところがある大きさの低周波を一定時間通電しますと、電流値が減少し大きな抵抗値を示します。これは細胞に「静電容量」(どの位の電気が蓄えられるかを表す量)があり、細胞膜を境にイオンの集積が行なわれ逆起電力が生じるためです。

通電後一定時間経過しますと「陰極(マイナス導子)」直下では細胞膜が緩みイオンの透過性が増大し「マイナスイオン」が集積されます。その結果閾値が上昇・興奮性を減少し、「鎮痛・消炎等」の「鎮静的効果」が期待出来ます。

逆に「陽極(プラス導子)」直下では細胞膜が固まりイオンの透過性が減少し「プラスイオン」が集積されます。その結果閾値が下降・興奮性を増大し、「被刺激性」が高まり「マヒ等への治療効果」が期待出来ます。

通流効果

「一定時間後」の通流効果とは、低周波の周波数・波形・電流などの特性によって異なりますが、早いもので1分位から始まり、その効果は「長く持続」します。

「電極」を理解し「疾病箇所に対し、目的にあった導子を貼り、適度な治療時間を選択する」ことが重要になりますね。

次回は「導子」についてご説明させて頂きます。


大島製作所の製品ラインアップは以下のとおりです。

http://www.ooshima.me/catalog_low_frequency.html

低周波全般資料(5)

低周波機器は、医療機器としてのJIS規格で「出力電流は、出力端子に500Ωの無誘導抵抗器を接続し、出力調整器を最大出力の位置にしたとき、電流が50mA(実効値)を越えてはならない。」と規定されています。
また家庭用低周波機器では安全上の配慮から「出力電流を20mA以下」に規定されています。

さてそこで「電圧と電流について」以下の2図を通しご説明させて頂きます。

【電圧と電流の関係について(図1)】
電流を流す力を「起電力」といいます。起電力により電流を連続的に供給する装置が「電池(直流)」や「発電機(交流)」です。
電流は、水がパイプの中を高いところから低いところへ流れ落ちるのとよく似ています。
水は高いところから低いところへ流れますが、この高さに相当するものを「電位」と呼びます。
そして高低差に相当するもの、すなわち電位の差(電位差)を「電圧」と呼びます。起電力はこの電圧で表され、単位は「ボルト(V)」です。

電圧と電流の関係

【電流の単位について(図2)】
「電流」は「毎秒流れる電荷の量によって測る」もので「アンペア(A)」の単位で表します。
1Aとは「ある断面を1秒間に1クーロン(記号C)の電荷が移動する電流」をいいます。

電流の単位

人体に流れる「通電流」は、電極間に加えた「電圧」に比例し、人体の「インピーダンス(抵抗)」に反比例します。これを「オームの法則」と呼びます。

電圧と電流を理解することにより、低周波機器の人体に流れるイメージがわかってきますね。

次回は「極性」についてご説明させて頂きます。



低周波全般資料(4)

低周波を通電するにあたっては「波形」がどういうものであるかを理解する必要があります。

低周波機器の本体から発せられた電気刺激は、電極を通して皮膚に加わりますが、その電気エネルギーが人体に通電され「治療効果」につながります。従って「皮膚吸収しやすい波形」が必要となります。

代表的な波形に「方形波」と「パルス波」があります。

パルスと方形波

「方形波」は「矩形波(くけいは)」ともいい、デューティファクター(波形ON時の時間幅がOFF時も合わせた全体時間幅の)50%近い波形をいいます。この波形では多くの電流が流せるため電気刺激が強く「電流治療」に向いていますが、量や時間によって「熱損傷(細胞破壊や火傷)」の危険もあり、主に「微弱電流治療」に用いられています。

それに対して「パルス波」は、波形は「方形波」と似ていますが、波形幅が極端に小さいため、多くの電流を流せません。つまりパルス幅が狭い分、電流刺激効果は弱くなりますが、筋肉にまろやかに反応するため、心地よい感じとなり、かつ強い刺激を加えられるため、「低周波治療器」の主流になっています。

「パルス波」の波形を拡大しますと、下図のように「アンダーシュート(ゼロ点よりも反対側に飛び出している)波形」になっています。これは片側(プラスまたはマイナス)のみの波形では「片側極性」による「熱損傷(皮膚が赤くなる現象)」をおこす可能性があるためで、「アンダーシュート波形」を入れて「両極性」にすることにより、皮膚に対する電気分解を軽減し、安心して使用出来るようにしています。

アンダーシュート波形

「周波数」と並んで「波形」が人体に対して大変重要な要素であることがわかりますね。

次回は「電流と電圧」についてご説明させて頂きます。

ホスピタルショウ2012

「国際モダンホスピタルショウ2012」に行ってきました!

7月18日(水)~20日(金)に東京ビッグサイトで開催されました「国際モダンホスピタルショウ2012」へ行ってきました。

展示会1

本年は、「いのちの輝きを!未来を創る健康・医療・福祉」(~さらなる連携を目指して~)をテーマに開催されました。
初日に行きましたが、大変盛況であり多くの見学者で一杯でした。

展示会2

当社も医療に携わる企業として、「健康産業全般」並びに「福祉施設」にも役立つ商品開発に、益々力を入れていきたいと思います。

「ご高齢の方が良くなるための機器」や、「病気にならないための予防介護機器」でもお役に立ちたい、と深く思いながら展示会場を後にしました。

㈱大島製作所のホームページはこちらです → http://www.ooshima.me

お祝い

私が所属する団体「なにわあきんど塾同友会」で会計を担当されています
「神野千夏さん」がめでたくご結婚されました。

7月14日(土)大安の日に、披露宴を執り行い、その日の17時から行なわれた二次会パーティに私も行ってきました。
「神野さん」の普段の経営者としての人望を反映してか、多くの方でうまり、とても盛大なパーティとなりました。

今後の益々のご活躍をお祈りいたします。本当におめでとうございました!

新郎新婦入場後の写真です!
結婚式

ケーキ入刀です!
ケーキ入刃

最後の挨拶シーンです!
挨拶

末永くお幸せに!

ざっくばらんな記事でした!

室外機盗難?

当社「関西営業所・大阪工場」に置いてある室外機(2基)が盗難されました!

「節電の夏」と普段はクーラーを入れていない部屋で、お客様と打ち合わせのため入れたところ、まったく冷えません。「故障?」と、念のため室外機を見に行くと、「ありゃ!」見事に盗られているではありませんか。

実は私の部屋も普段入れませんので気が付きませんでしたが、同じ状況でした。

すぐに警察に来て頂き、被害届けを出しましたが、1階に置いてある「家庭用室外機」「アンカー止めしていないもの」がやられました(ちなみにお隣さんのもやられていました・・・)。

どうも中に入っている「アルミ」と「銅」が目当ての犯行のようで、最近多いようです。

民家でも起こっているようです。皆さんも気を付けてください!

対策としまして、室外機のアンカー止めがいいと思います。
乗せているだけの室外機を狙っているようです!

でもこうした目先の金で、人のことを考えない行動というのは残念ですね。
お互いに助け合う、島国日本の古き伝統や習慣を大事にせな!と思います。
でも昔「人を見たら泥棒と思え」とおばあちゃんに言われたことがありますが、今も昔も同じですかね?

気を取り直して頑張ります。

ざっくばらんな記事でした!

低周波全般資料(3)

低周波治療に「周波数の設定」が必要な前提として、人体の皮膚に関するお話しをさせて頂きます。

皮膚の電気抵抗は非常に高く、乾燥している時は数メガオームもあります。一番外側の皮膚の細胞は平たく、ひからびていて、これが何層も重なっているのです。
低周波を流す際、導子のスポンジを水で濡らし体に付着させますが、細胞の間に水分が十分しみ通りますと、数キロオーム~数百オームまで電気抵抗を下げることが出来ます。

皮膚の特性を理解した上で、体内に電気を流す際「周波数設定」が人体に大きな影響を与えます。
低周波の人体への感じ方は、低い周波数帯の電気は感じやすいため体内を通りにくく、高い周波数帯の電気は感じにくいため体内を通りやすい特性があります。
つまり高い周波数の方が(体に感じにくく)皮膚を通りやすいため、低い周波数に比べ多くの電流を流せます。

低周波治療器の最大周波数は、JISで1000Hz以下と定められています。それは、これ以上周波数を高くしますと、低周波としての刺激感が薄くなり、過大電流による電撃傷の危険があるからです。

そこで一般的に、比較的浅部組織への治療(主に筋肉系への刺激)を行なう場合は50Hz以下の周波数帯、比較的深部組織への治療(主に神経系への刺激)を行なう場合は50Hz以上の周波数帯を用います。

また一定の周波数帯では、時間の経過とともにに刺激が弱く感じる場合もあります(なれ現象)。そこで「なれ現象」を防止するため「インターバル(間歇)通電」や「ミックス(周波数がある範囲内を自動で切替わる)通電」などの工夫があります。
最近では「中周波」といって、低周波の周波数成分の中に数万Hzの周波数帯を取り入れることにより、刺激を柔らげ、筋肉系・神経系ともにより効果的な刺激を与える工夫もあります。

   PG-7.gif
(中周波の入った「ピクトロン PG-7」

「周波数の設定」は、治療する部位・疾病のある組織の深さにとって、大切なポイントであることがわかりますね。

次回は「低周波の波形」についてご説明させていただきます!


低周波全般資料(2)

日本国内には「理学療法」という考えが広く普及しています。「理学療法」とは、「電気・磁気・温熱・あんま・マッサージ・指圧・針灸など」自然的及び人工的物理エネルギーを応用して、疾病の治療をはかるもので、「薬物療法」「外科療法」とともに医療の主流をなすものです。

高齢化社会にあっては予防治療にもなり、副作用や後遺症への心配も少ない「理学療法」の重要性は、ますます大きくなるものと考えます。

ここで「アルント・シュルツの刺激法則」を以下に記します。
①弱い刺激は生体機能を鼓舞します(組織の働きを目覚めさせます)。
②適度の刺激は生体機能を亢進します(組織の働きを高めます)。
③強い刺激は生体機能を抑制します(組織の働きを抑制します)。
④最も強い刺激は生体機能を停止させてしまいます(組織の働きを停止させます)。


「電気療法の刺激」を「アルント・シュルツの刺激法則」に当てはめますと、「弱い刺激」の微弱電流療法(微弱低周波治療)から、「強い刺激」の感電電気療法(電気ショック療法)までありますが、

①(弱い)・②(適度)・③(やや強い)までの「適度な刺激」が「低周波治療器」に使われています。

「低周波の刺激」を構成するものには、周波数・波形・電流・電圧・極性・時間・導子などがあります。

患者さまにとって最も適度な刺激を得るため、「低周波治療器」の性能や使用方法を理解した上で活用することが大事となります。

次回より、具体的な刺激の内容についてご説明させて頂きます。



低周波全般資料(1)

「低周波治療器」が世に産声を上げたのは戦後間もない頃、平和電子工業㈱の銭谷先代社長の開発から生まれました。

その内容とは、真空管回路によって低周波脈波を発振させ、その振幅を変調するAM回路で電流を取り出す画期的な開発でした。
銭谷氏の情熱は、低周波理論を工業技術だけに終わらすことなく、治療の領域にまで入り込み、千葉大学の本間名誉教授との共同研究にまで発展させました。そして阪大放射線の五百住(いおずみ)先生にも加わっていただき、数多くの臨床試験がなされました。
その後、「低周波医学会」も発足し、「低周波治療器による治療成績表」が数多くの研究成果として発表されていきます。刊行誌に要する費用も全て銭谷氏が負担されました。

今では「低周波治療器」といえば業務用はもとより家庭用もあり、広く普及されています。しかし「科学に立脚した低周波治療器」であるか否か検証する人は決して多くありません。

中国の故事に「水を飲む人は井戸を掘った人の恩を忘れない」とあります。

未来に向けて低周波治療器が更なる発展を遂げることこそ、銭谷氏が念願していたことであり、平和電子工業㈱並びに㈱大島製作所は、今後とも「低周波治療器」の発展に尽力して参る決意です。


  オーゴスペル
(大ヒット商品の「オーゴスペル」


平和電子工業㈱の案内は
http://www.heiwadenshi.co.jp

㈱大島製作所の案内は
http://www.ooshima.me

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